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2025.11.14

ー外壁塗装で押さえておきたい下地処理の基本ー

ー外壁塗装で押さえておきたい下地処理の基本ー

 

外壁塗装における下地処理とは

外壁塗装の仕上がりや耐久性を左右する大切な工程が「下地処理」です。どれだけ高性能な塗料を使っても、下地処理が不十分だと、早期の剥がれやひび割れにつながってしまいます。まずは下地処理の役割や、塗装との関係を整理しておきましょう。

塗料を長持ちさせるための土台づくり

下地処理とは、塗装をする前に外壁の汚れや古い塗膜を取り除き、ヒビや欠けを補修して、塗料がしっかり密着できる状態を整える作業のことです。塗装はあくまで「仕上げ」であり、その下にある素地が整っていなければ、本来の性能を発揮できません。外壁塗装の寿命を延ばすためには、見えない部分の準備こそが重要になります。

見た目の美しさにも直結する工程

下地処理の良し悪しは、完成後の見た目にも表れます。汚れや古い塗膜が残ったまま塗装すると、表面がデコボコしたり、ムラになったりしがちです。逆に、丁寧に下地を整えてから塗ると、同じ塗料でも発色やツヤが良くなり、塗膜の厚みも均一になります。きれいな仕上がりを求めるなら、下地処理の質を意識することが大切です。

外壁塗装の下地処理で行う主な作業

ここからは、一般的な戸建て住宅の外壁塗装で行われる下地処理の内容を、順を追って見ていきます。業者の見積書にもよく記載される項目なので、一つひとつの意味を知っておくと、工事内容の妥当性を判断しやすくなります。

高圧洗浄で汚れやコケを除去

最初の工程が、高圧洗浄機を使った外壁の洗浄です。長年のあいだに付着したホコリや排気ガスの汚れ、コケやカビなどを水圧の力でしっかり落としていきます。目に見える汚れはもちろん、古い塗膜の表面についたチョーキング粉も一緒に洗い流すことで、新しい塗料が密着しやすい状態をつくります。

ケレン作業で古い塗膜やサビを落とす

鉄部や木部などには「ケレン」と呼ばれる研磨作業を行います。サビや浮いている古い塗膜を、専用のヤスリや電動工具でこすり落とし、表面をなめらかに整える作業です。とくにサビは放置すると広がってしまうため、しっかり落としておくことが重要です。ケレン後に塗料を塗ることで、サビの再発を抑えやすくなります。

ひび割れや穴の補修

外壁にできたひび割れ(クラック)や、小さな穴・欠けも下地処理の段階で補修します。細かなひびはシーリング材や補修用のパテで埋め、大きなクラックにはUカット工法など、状態に合わせた方法で対応します。この段階で雨水の入り込みやすい部分をきちんとふさぐことで、建物内部の劣化や雨漏りのリスクを減らせます。

シーリングの打ち替え・増し打ち

サイディング外壁の場合、目地に充填されているシーリング材の補修も重要です。古くなったシーリングは弾力がなくなり、ひび割れや剥離が起こりやすくなります。下地処理では、古いシーリングを撤去して新しく打ち替える「打ち替え」や、上から足して補強する「増し打ち」などを行い、隙間からの水の侵入を防ぎます。

下地処理が不十分だと起こるトラブル

下地処理は、実際の塗装作業に比べると派手さはありませんが、ここを手抜きするとさまざまな不具合となって現れてきます。工事後数年でのトラブルを避けるためにも、どのようなリスクがあるのかを知っておきましょう。

早期の剥がれや浮き

代表的なのが、塗膜の早期剥がれや浮きです。汚れや古い塗膜の上にそのまま塗装すると、塗料がしっかりくっつかず、数年でペリペリとめくれてしまうことがあります。せっかく塗り替えをしても、短いスパンで再工事が必要になれば、結果的にコストがかさんでしまいます。

ひび割れや雨漏りにつながるリスク

ひび割れやシーリングの劣化を放置したまま塗装してしまうと、表面は一見きれいでも、内部では水が入り込み続けてしまうことがあります。これが進行すると、外壁材の腐食や内部の木部の劣化、さらには雨漏りへと発展する可能性もあります。見た目だけでなく、建物そのものの寿命を縮めてしまう危険があるのです。

仕上がりのムラや美観の低下

下地処理を十分に行わないと、塗膜の厚みが均一にならず、色ムラやツヤムラが目立ってしまいます。とくに日当たりの良い面や玄関まわりなど、よく目につく場所では、わずかなムラでも意外と気になるものです。長く暮らすマイホームだからこそ、見た目の美しさにもこだわりたいところです。

信頼できる業者を見分けるポイント

最後に、外壁塗装を依頼する際に「下地処理をしっかり行ってくれる業者かどうか」を見極めるポイントを押さえておきましょう。見積書のチェックや、打ち合わせ時の質問の仕方を知っておくことで、納得のいく工事につながります。

見積書に下地処理の内容が具体的に書かれているか

見積書の項目に「下地処理一式」とだけ書かれている場合、具体的にどんな作業をするのかが分かりません。信頼できる業者であれば、「高圧洗浄」「ケレン作業」「シーリング打ち替え」など、工程ごとに記載していることが多いです。気になる場合は、遠慮せずに詳細を質問してみましょう。

現地調査で外壁の状態を丁寧に確認しているか

良心的な業者は、見積もり前の現地調査で、外壁のヒビやサイディングの反り、シーリングの劣化などを細かくチェックします。そのうえで、お住まいの状態に合った下地処理の内容を提案してくれます。調査が短時間で終わってしまう、細かな説明がない業者には注意が必要です。

工事中の様子を写真などで共有してくれるか

下地処理は仕上がってからは見えなくなる工程だからこそ、工事中の写真を撮って説明してくれる業者だと安心です。「どのように洗浄したのか」「どの部分をどんな方法で補修したのか」などを確認できれば、手抜き工事の不安も軽減できます。

外壁塗装の成功は、華やかな仕上げの塗装よりも、その前段階である下地処理にかかっていると言っても過言ではありません。これから塗り替えを検討している方は、価格だけでなく、下地処理の内容や工程をしっかり確認し、納得できる業者に依頼することが大切です。丁寧な下地処理で整えた外壁なら、塗料の性能を最大限に生かし、長く安心して暮らせる住まいづくりにつながっていきます。